中古マンションのネット環境改善記
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2023.01.25
中古マンションのネット環境改善記
電気や水道と同じくらいインターネット回線は重要なインフラになってきました。
パソコンやスマートフォン以外にもタブレット、ゲーム機や家電まで様々なものがインターネット回線を必要としています。
さらに、最近は在宅勤務でオンラインミーティングを行ったりもするので、それなりのスピードが出る快適な通信環境がないと会議中に1人だけ時間が止まってしまう、なんてことになりかねません。
実はこの「インターネット回線」が中古マンション選びの際は意外と見落とされがちなのです。
今どきネット回線がないマンションは少ないからかもしれませんが、ただ線が引いてあればいいというものではないのです。
今回のコラムでは私の実体験をもとに快適なネット環境を手に入れるまでの仁義なき戦いを書き綴ろうと思います。
少しマニアックな話になるかもしれませんが、これから中古マンションを買われる方や、通信環境で悩まれている方の参考になれば幸いです。
快適な通信速度を求めて
私は現在、練馬区にある築20年ほどの中古マンションをリノベーションして住んでいます。
それまでは築10年ほどの賃貸マンションに住んでおり、快適なインターネットライフを送っていました。
中古マンションの内装工事中、引越ししてからすぐにインターネットを使いたかったので事前に通信会社に申し込みをしました。
すると窓口の方が「お引越し先のマンションは少し古いタイプの回線が引かれているので、現在より少し通信速度が落ちるかもしれません」と戦いの始まりを予言したのです。
その時の私は「せっかくいいマンションが見つかったんだから、そのくらいは仕方がないかな」と、問題を甘く見ていました。
内装工事が完了し、引越しして数日で通信もできるようになりました。
事前にしっかりと段取りしていたのでとてもスムーズに新生活スタートです!と、喜んだのも束の間。
何かおかしい。
パソコンは昔のダイヤルアップ回線のようなスピードに、Wi-Fiにつないだスマートフォンは通信速度制限をかけられたかのような状態になってしまったのです。
このとき、私はようやくインターネット回線の重要性に気がついたのです。
これではオンライン会議どころか通常業務にも影響が出てしまう。
せっかく加入した動画配信サービスもまったく楽しむことができません。
私と妻は大慌てで対策を考えました。
作戦①「自分で新たに回線を引く」
当時、大手通信会社の他にも様々な光回線サービスの宣伝がされていました。
どれもが通信スピードをウリにしたもので、それを見た私は天啓を得たかのように導入を検討したのです。
新しく回線を引くには、線を引き込むための穴を開ける(エアコンの排気口や電話線の引き込み穴があれば不要)など、多少の工事が必要になります。
分譲マンションとはいえ、共有部分に影響を与える工事が発生する場合は管理会社に確認を取らなければいけません。
これがかなりのハードルで、管理会社からは工事内容が具体的に分からないとダメ、工事業者からはやってみないと分からない、と言われ話が全く進まないのです。
完全に身動きが取れなくなった私は、泣く泣くこの作戦を諦めました。
作戦②「別の回線が通っていないか確認する」
工事の件で管理会社に問い合わせした際、「一応別の会社の回線もありますが、そちらを試してみてはいかがでしょう」とアドバイスをもらえました。
調べてみると今使っている回線よりは太い物を使っているとのこと(賃貸マンション時に比べると細い)。
ワラにもすがる思いで別回線を申し込み、最初の通信会社はわずか一週間で解約。
ようやく人並みの通信速度を手に入れることができたのです。
余談ですが、ルーターが古い場合は買い替えると通信速度がアップすることがあります。
価格は4,000円くらいからあります。
ちょっと試しに買うには高いな、という方はルーターに差し込むLANケーブルを替えてみるのもおすすめ。
どんなに速い通信が家まで来ていてもモデムやルーター間のケーブルが細いと力を発揮できません。
ケーブルは千円もかからない程度で購入できるので、速度に不満がある場合はまずそこから試してみてもいいかもしれません。
回線の引き込み位置は慎重に
通信会社が決まると次は室内への回線引き込み工事です。
メインの線は一か所しか引き込めないので、ここも慎重に選ばなくてはならないポイントです。
マンションは回線の引き込み位置がある程度決まっていて、一般的な長方形の間取りなら玄関側、物件中央、ベランダ側にあり、その中から選ぶことになります。
我が家では玄関側の土間に仕事場を配置したので玄関側に線を引き込むことにしました。
そうすることで、仕事で使うパソコンは通信の速い有線接続、そのほかはWi-Fiでの無線接続ができるようになるという作戦です。
結果から言うと、この作戦は半分あたりで半分ハズレでした。パソコンの通信は安定しており仕事は快適。
しかし、反対側のベランダまで行くとWi-Fiが届かなくなってしまいました。
距離の問題もありますが、間取りによって壁が多かったりすると電波が遮られてしまい弱まってしまうのです。
Wi-Fiを家全体に行き渡らせるために
一度工事してしまうと回線の引き込み位置を変更するのは時間もお金もかかってしまい大変です。
そんな時はWi-Fi中継機を入れてみるのも一つの手。
安いものだと3,000円程度で購入可能です。
コンセントに差し込んで一度だけ設定すれば新たなアクセスポイントとして使うことができ、名前の通りWi-Fiを中継してくれるので広い範囲をカバーすることができます。
ただ、一点だけ不便なのは家のどこにいるかによって最適なアクセスポイントを選ばないといけないのこと。
ある日、こどもがタブレットで動画を見ていると突然「なんかクルクルして観られないー!」と大騒ぎ。
どうやら画面に読み込み中の表示がでてきたらしく、そんなに怒らなくても、と思うくらい本気で怒っています。
そのくらい通信不具合はストレスになるということなのでしょう。
気持ちはわかります。
調べてみるとどうやら遠い方のアクセスポイントにつながっていたのが原因。
このあたりは機器が自動で選んでしまうので、おかしいなと思ったら手動で切り替えないといけないのです。
最近はメッシュWi-Fiという技術を使ったルーターが出てきており、中継機を増やしても同一のアクセスポイントを使えます。
お値段は1万円を少し超えるくらいとお高めですが、家庭の平和とこどもの精神衛生保護のため買い替えてみました。
今までのルーターは黒くてツンツンしたウニみたいなものが多かったのですが、最近はデザインも一新されておりアンテナもなくインテリアにも馴染む白を採用するなどスタイリッシュになっているんですね。
技術や機器の進化は日進月歩。これからもどんどん新しくなっていくので、快適なインターネットライフを送るために、たまにはチェックしてみることをおすすめします。
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投稿者プロフィール
赤井 恒平(あかい こうへい)
ライター・フォトグラファー。埼玉県飯能市でシェアアトリエ「AKAI Factory」を運営するなど、まちづくり業にも携わっています。
現在は築20年のマンションをリノベーションして家族4人で暮らしています。最近は休日に料理をするのが密かなブームです。
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