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生ゴミを減らしたい!ダンボールコンポストで生ゴミリサイクルに挑戦しよう

Life Hack

2023.06.28

生ごみの困りごと

写真1:ダンボールコンポスト

気温が上がると、お悩みが増えるキッチンの生ごみ。梅雨時期から夏にかけて、ごみの日が待ち遠しい方も多いのではないでしょうか。今回は、生ごみのお悩みを一気に解決できるダンボールコンポストをご紹介します。多くの自治体で作り方が紹介されている生ごみコンポストに挑戦してみませんか。

 

生ごみの困りごとは主に3つあります。

①匂いが出てしまうこと。いくら水切りをしても、新聞紙やビニールに包んでも効果なし。ごみ箱を開けると立ち上がるあの匂いに、いつも気持ちが下がります。

➁ごみが重くなること。夏は水分を含んだ生ごみが特に多くなります。スイカは夏にたくさん食べたい野菜の1つですが、食後に積まれた皮の山を捨てるのは大変です。

➂虫がよってくること。どこからともなくよってくるコバエ避けとして、ハーブスプレーをかけてみたり、コバエを取る薬剤を置いてみたり……。私の場合、残念ながら効果はあまりありません。

 

ダンボールコンポストの作り方

写真2:ダンボールコンポスト

ダンボールコンポストとは、段ボール箱を利用した生ごみ処理容器です。毎日出る生ごみを、ベランダやお庭で手軽にたい肥化でき、プランターの土として利用できます。不思議なことに段ボール内の量は増えません。微生物の働きで分解が進むため、生ごみがあふれる心配をすることなく使い続けられます。

写真3:ダンボールコンポスト
写真4:ダンボールコンポスト

①まずは段ボールを用意します。みかん箱や油の箱など、厚手のものが理想です。ない場合は二重にします。虫などが入らないよう、新聞紙で内側を覆います。私は梱包材を利用しました。

➁古くなったTシャツを使い、虫除けキャップを作ります。広げたTシャツの両脇の下を一直線にカットし、裏返しにしてミシンで縫い合わせます。色は何色でも構いません。

➂ダンボールの3分の2まで基材を入れます。基材は黒土、ピートモス、もみ殻くん炭などさまざまなものがありますが、どの材料も100円ショップやホームセンターで気軽に入手可能です。2種類ほどをブレンドするのがおすすめです。よく混ぜたら、米の研ぎ汁や水をかけて、一晩置きます。

④さっそく生ごみを投入してみましょう。水を切り、なるべく細かくカットした野菜くずを投入し、土を被せます。生ごみが土から出ていると分解が進みません。私は箱の中をスコップで十字に印をつけて、日毎に投入場所を変えるように工夫しています。分解が進むと、箱の中の温度が40度近くまで上がることも。温度計を用意すると変化が確認できます。

⑤風通しをよくするため、ダンボールコンポストを直接地面や床に置かないようにします。猫よけの網目状の台や、園芸用のブロックを用意しましょう。私は100円ショップで販売している、キャスターのついた園芸台を使っています。

 

ダンボールコンポストを使うと解決できること

写真5:ダンボールコンポスト

ダンボールコンポストのメリットは、低コストで生ごみを処理できることです。薬剤や電気を使うことがなく、身の回りのアイテムで気軽に始められます。

野菜くずや食べ残しなど、減らすのが難しい生ごみ。水分が多い生ごみを放置しないため、いやな匂いの元になったり、ごみが重くなったりすることがありません。夏は特に気になるコバエやゴキブリなどの虫に悩まされることが減り、袋を2重にしたり、外用のごみ箱を購入したりという手間も激減します。

水分が多い家庭ごみは、焼却コストがかかることも問題になっています。令和3年度における全国のごみ総排出量は4,095万トン(東京ドーム約110杯分)、1人1日当たりのごみ排出量は890グラム。減少傾向にあるものの、ごみ焼却施設の総発電電力量は増加しており、約250万世帯分の年間電力使用量に相当しています。

(出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度)について」/ https://www.env.go.jp/press/press_01383.html

 

ダンボールコンポストのデメリット

ダンボールコンポストにはデメリットもあります。コンポストは、毎日かき混ぜることが必要です。新鮮な空気を送り込み、微生物の分解活動を助ける必要があるためです。

堆肥化までに時間がかかることも難点です。微生物の自然な活動に頼る方法のため、気温や湿度などの条件によっては、利用できる堆肥が完成するまでに数カ月かかることもあります。

そして、1番心配なのは虫が発生することです。生肉やニンニクを入れたとき、生ごみに土をしっかりと被せておかなかったときなどはコバエが寄ってきます。虫除けキャップがゆるい、長い時間開けっぱなしといった場合には、アブやハエが寄ってきて、卵を産み付けることも。虫の発生も生ごみの分解を助ける循環の一環ですが、あまり気持ちの良いものではありません。虫除けキャップがゆるい場合は、ゴムバンドや紐を活用する、木酢液など虫が嫌がるスプレーを吹きかける、毎日かき混ぜるなどの工夫を取り入れましょう。

 

ダンボールコンポストの注意点

ダンボールコンポストを使い続けるために、いくつか注意することがあります。

①ダンボールコンポストは空気を入れながら分解を進める「好気性」のため、ビニールや発泡スチロール、プラスティックなどの素材は利用できません。ガムテープはクラフトテープを使い、最小限のクラフトテープで固定するのがおすすめです。

➁ダンボールコンポストは甘いものや油が大好きです。ただし、動物性の生ごみは入れないようにしています。分解しますが、少し匂いがキツくなるような気がします。炒め物で出た少量の油は投入しますが、魚の皮、鳥の皮、脂身などは入れていません。もし匂いが出てしまったら、紅茶や緑茶、コーヒーの出し殻を匂い消しとして利用しましょう。

➂卵の殻、骨、貝は分解に時間がかかるため、投入しません。分解が進んでいないと感じたら、米ぬかを投入しています。また、気温が下がると分解が遅くなるため、投入量を減らしたり、室内管理に切り替えたりしています。

④ダンボールコンポストはまれに発火の原因になる場合があることに注意が必要です。発酵によって内部の熱が上がり、定期的にかき混ぜることを怠ったためにコンポストの内容物に引火するといった火事が報告されています。毎日の管理を怠らず、内部の状態をよく観察することが重要です。

⑤ダンボールコンポストを処分するときは、自治体の処分方法に従ってください。土を捨てる場合は、自治体によってごみとして認識されないことがあります。捨てられる場合も、分類が細かく分かれるため、自治体の処分方法を確認しましょう。

 

コンポストに挑戦してみよう

コツをつかんでしまえば簡単にできるダンボールコンポスト。毎日のごみの量が減るのは本当に快適です。義務にならないよう、無理なく向き合うことが続けるコツといえます。みなさんも生ごみを上手にリサイクルして毎日のお悩みを減らし、環境にも優しい活動に参加してみませんか。

 

 

投稿者プロフィール

高橋みさと

自然に近い場所を求めて2021年に都内から郊外へ移住。
ライター業をしながら米や野菜づくりに挑戦しています。
趣味は登山と外で遊ぶこと。
発酵に興味があり、コンポストを利用して生ごみを捨てない生活を実践中です。

http://turumayu.studio.site

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