自宅にワークスペースが欲しい!
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2022.05.05
自宅にワークスペースが欲しい!
2019年以降、新型コロナウィルスの拡大により人の移動が制限されたことで通勤が減った、あるいは全く出社しなくなった、という方もいるのではないでしょうか。
予期せぬ形で突然始まった『在宅勤務』とういうライフスタイルにどう対応するのか。
これはとても悩ましい問題です。
私は個人事業主として撮影や執筆などの広告業をしていて、写真の画像処理や原稿作成などは自宅で行っています。
当時、私は都内の賃貸マンションで妻と二人暮らしをしていて、1LDKという必要最低限の間取りだったので当然ワークスペースはありませんでした。
だから「仕事に集中できるワークスペースを持つ」というのは長年の夢だったのです。
前置きが長くなりましたが、今回はそんな状態から、家族が増え、中古マンションを買い、リノベーションした際にどさくさに紛れてワークスペースを作っちゃった、という話をしようかと思います。
工夫したことや反省点などをつらつらと書いていきますので、これから自宅に快適な仕事場を作ろうと考えている人の参考になれば幸いです。
虐げられていた1LDK時代
写真:鳥村鋼一
先ほども書かせていただきましたが、私は妻と1LDKのマンションで二人暮らしをしていました。
そこではリビングの端っこに置かれた小さな机が私の仕事場。
パソコン一台あれば作業はできたので最初は特に不満はなかったのですが、暮らしていくうちに物が増え、最終的には部屋干ししている洗濯物が頭にかかった状態で作業するというおもしろい状態になってしまったのです。
そして数年後、二人目のこどもが生まれるのを機に1LDKから卒業を決意。
都内の2LDK、3LDKの賃貸物件は家賃がとても高かったので、中古マンションを購入しリノベーションすることにしたのです。
とはいえ、予算の問題もあり購入できたのは築20年ほどの一般的な3LDK(70㎡くらい)でした。
これでは自分の仕事部屋を確保するなんて夢のまた夢。
またリビングの端っこで洗濯物を頭に乗せながら原稿を書かねばならないのでしょうか。
いや、諦めてはいけない。
間取りを自由にできる千載一遇のチャンスを逃してはいけない。
そう思った私は友人の建築家に相談することにしたのです。
ポイントは「集中できる場所」かどうか
写真:鳥村鋼一
まず、「仕事場がリビングにある」という状態がどうだったか考えてみます。
①テレビやゲームなど誘惑が多い
②他の家族も同じ空間で過ごしている
③洗濯物が頭にあたる
つまり、生活が近すぎるのです。
プライベートである「生活」とパブリックな活動の「仕事」は別物として扱うのが一般的です(同一化している人もいますが)。
なので、「家」というプライベート空間にムリヤリ「仕事」を放り込むから反発を生むのではないかと考えました。
それでは家の中で一番生活から遠い場所はどこかというと、それは家の出入り口である玄関です。
そこは外と内の境界、パブリックとプライベートの狭間。快適な仕事場は玄関こそが相応しい!という思い込みのもと、ワークスペースは玄関におくことになりました。
しかし通常マンションの玄関は1㎡程度の最狭スペースですから机なんて置けません。
そんなことをしたら誰も家に入れなくなってしまいます。
そこで建築家と相談し「それなら玄関を広くしてしまおう」と、玄関の土間スペースを拡張してワークスペースを作ることにしました。
そうすることで机を置く十分なスペースを確保すると同時に、机に行くには靴を履かねばならなくなるので、これが仕事モードへのマインドチェンジになるのでは?という狙いもありました。
私がここで仕事をするのはだいたい夜なので、将来的に日中はこどもの勉強スペースとして使ってもらえたら一石二鳥ですね。
写真:鳥村鋼一
もう一つ良かったのは土間を広げたことでベビーカーの入庫がとても楽になったことです。
以前はベビーカーをたたみ終わるまで誰も家に入ることは許されませんでしたが、リノベ後はストレスフリーな帰宅が可能に。
最近は小さな自転車も土間に停まっています(自転車、ベビーカーが並ぶと机までたどり着けないという問題は有)。
既存の間取りに捉われることなく、自分の生活に合わせて間取りを自由にできるのがリノベーションのいいところ。
土間拡張、おすすめです。
使ってみて感じた反省点
設計:studio IrodorI+ondesin
①オンラインミーティングへの対応
コロナ禍以降増えたものの一つにオンラインミーティングがあります。
もはや仕事に欠かせないものになってきてますね。
宅でオンラインミーティングを行う際、どうしても気になるのが生活音です。
仕事部屋だったら個室なので音を遮断できるのですが、玄関横の土間オフィスでは扉をつけることができないのでどうしても音は入ってきてしまいます。
こどもが乱入しやすい場所でもあるので、シリアスな会議やトークイベントの出演などの時は個室のあるシェアオフィスを借りたりします。
本当に〆切に追い詰められて、集中して作業したい時にも時間貸オフィスはいいですね。自宅と使い分けするのがいいかもしれません。
②間取りの表記は「ワンルーム」になってしまった
土間を拡張したことで玄関側の2部屋に窓がなくなりました。
そうすると不動産の表記上「部屋」とは見なされなくなってしまうらしく、実際部屋があるにも関わらず「ワンルーム」と分類されてしまうようです。
生活する上では何も問題ないのですが、将来的に売ったりするときに不利になる可能性があるかもしれません。
もちろん、変わった間取りを得意としている不動産サイトもあるので一概には言えませんが、マンションの場合は手放す時のことも考えておいた方がいいかもしれませんね。
③将来のこども部屋が狭くなってしまった
広大な宇宙にも端っこがあるように、物事には全て限りがあります。
もちろんマンションの占有スペースにも当然限りがありますので、何かを増やしたら何かを減らさなくてはなりません。
今回土間を作るにあたって犠牲にしたのは「寝室」と「こども部屋」です。
寝室に関しては「ここは寝るだけの部屋」と考えていたのでスペースが狭くなっても問題ありませんでしたが、もう一つ、将来のこども部屋になる予定の部屋も狭くなってしまいました。
10年後、ライフスタイルがどう変化しているのかわかりませんが、もしかしたらこどもにとても怒られるかもしれません。ごめんなさい。
以上でワークスペースをめぐる物語はおしまいです。
今回紹介した私のリノベーションはほんの一例で、家族構成や仕事の内容など様々なので人によって解決策は違うと思います。
同じ予算なら郊外に一戸建てを買うのも選択肢の一つです。
私が活動している埼玉県飯能市は、そういった移住者がとても増えています。
飯能を紹介しているローカルメディア「はんのーと」(https://han-note.com/)には、移住者の体験レポートも掲載されているので参考にしてみてください。
また、リノベーションやリフォーム、地方移住が気になったのなら、試しに相談してみるのもおすすめですよ。
▶ほほえみライフのリフォームサービスはこちら
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投稿者プロフィール
赤井 恒平(あかい こうへい)
ライター・フォトグラファー。埼玉県飯能市でシェアアトリエ「AKAI Factory」を運営するなど、まちづくり業にも携わっています。
現在は築20年のマンションをリノベーションして家族4人で暮らしています。最近は休日に料理をするのが密かなブームです。
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