2月を過ぎると、卒業式や入学式の準備や異動、引越し、確定申告など何かと慌ただしく、いつの間にかすっかり春を迎えているという方も多いのではないでしょうか。春の兆しはあまりにもささやかなため、うっかりしていると見過ごしてしまいます。じっくりと春を味わうために、私が毎年欠かさず取り入れている3つのことを紹介します。

春の野菜といえば、菜の花、クレソン、山菜などたくさんありますが、ふきのとう特有のわずかな苦味とさわやかな風味を味わうのが、私の最初の春イベントです。ひな人形を飾る2月の初旬になると、野菜売り場にふきのとうが並び始めます。

以前は必ずスーパーマーケットで買い求めて、ふき味噌や天ぷらなどを作っていました。西武鉄道沿線の郊外に引越しをしてからは、散歩の途中で見つけたふきのとうを地主さんの許可を得ていただいています。

まだ花が見えるか見えないかというふきのとうは、小さなつぼみに苦味と香りが凝縮されていて、買い求めたものとはまた違った味わいです。まだまだ寒い日が続く2月に感じる、最初の春の兆しです。

ひな祭りを終えるか終えないかの時期は、よもぎを摘むのにちょうどよいタイミングです。よもぎは桜の咲く頃まで待つと、大きく成長して摘みやすくなりますが、私は地面からやっと葉を出したばかりの小さなよもぎを収穫します。

家庭菜園をするために借りている畑の、誰も近づかないような一角がよもぎの収穫スポットです。緑が少なく、枯葉が積もったような地面をよく観察すると、うっすらと緑色をしたよもぎが生えています。

収穫するのは20分から30分と短い時間ですが、地面に座り込んで1枚ずつ収穫していると、なかなかカゴがいっぱいになりません。まるで修行をしているような感覚になり、日頃どれほど急ぎ足で生活しているかが分かります。

よく洗い、軽く茹でてからペースト状に加工します。すりこぎを使う年もあれば、みじん切りにするだけの年もあり、忙しさによって出来栄えはまちまちです。よもぎ餅にしても、草団子にしても、よもぎ特有の香りが強く残り、春に欠かせない味覚となっています。

春といえば桜の花見は欠かせません。ここ数年は、入間市にある「桜山展望台」に必ず通っています。桜の時期に加治丘陵を歩いていたところ、偶然発見したお気に入りの桜スポットです。（桜の写真は昨年撮影したものです）

お花見といえば、桜の木を下から見上げるのが一般的ですが、桜山展望台から見える桜は一味違います。満開の桜を横から、そして上から眺められる貴重なお花見スポットです。桜の木に囲まれた3階建ての展望台を登っていくと、手すりの先に咲き誇る桜の枝が現れます。晴れた日は、展望台内部の暗がりから桜の花が光を集めて浮かび上がり、まるで絵に描いたような美しさです。

最上階は四方が見渡せる大パノラマが広がります。南側が見渡せるベンチに座り、眼下に茶畑、その先には都内の高層ビル街が見える風景を満喫するのが私の恒例です。晴れた日には筑波山や富士山、秩父連山が見えるようですが、桜の時期は空が霞む日が多いためか、私はまだ山々の姿を拝めていません。いつか桜とともに見てみたい風景です。

行事ごとが重なる春は、やるべきことが多過ぎて、目先のことだけを考えがちです。寒暖の差が激しい時期が重なり、体調を崩すことも。頭も体もペースダウンしたい時には、ゆっくりと季節を感じる時間を作るのがおすすめです。自分だけの小さな春時間が見つかりますように。

【桜山展望台】

住所：埼玉県入間市大字下谷ケ貫925番地8

利用時間：4月から9月まで：午前9時から午後5時30分まで

10月から3月まで：午前9時から午後4時30分まで

＊利用時間以外は展望台には上れません。

交通案内：西武池袋線「入間市」駅から、西武バス「河辺駅北口」、「南峯」行き「中神」バス停下車、徒歩8分

駐車場：なし＊公共交通機関をご利用ください。

入間市「桜山展望台」ホームページ：

https://www.city.iruma.saitama.jp/soshiki/toshikekakuka/131/909.html

本コラムは、株式会社西武リアルティソリューションズからの依頼にもとづき、以下、投稿者のコメントを編集して掲載しております。