マンションのキッチンをリノベーションで快適に!
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2023.03.08
マンションのキッチンをリノベーションで快適に!
長かったコロナ禍も少しずつ落ち着きを取り戻し、遠方への旅行や外食などもできるようになってきましたね。
とはいえ、全てが以前と同じに戻ったわけではありません。
数年間にわたる感染症の影響は人々のライフスタイルをすっかり変えてしまいました。
その一つが「おうち時間の充実」。
在宅勤務が増え、広い家を求めて郊外に移住したり、快適な間取りの家に引越したりした人も多いのではないでしょうか。
実は私もその1人で、2020年に築20年ほどの中古マンションを購入。
リノベーションをして、家族4人で住んでいます。
リノベーションの魅力は、自分のライフスタイルや好みに合わせて間取りを考えられることです。
例えば、家族の団らんを重視してリビングを広くしたり、逆にプライベート重視で個室を増やしたりと自由にデザインが可能。
広さや予算など条件を考慮しながら必要なものと不要なものを洗い出し、取捨選択していくのです。
私が重視したのは「ワークスペースの確保」「リビングの広さ」「充実したキッチン」です。
この3つをわずか70㎡の中で叶えるために様々な工夫を施しました。
ワークスペースに関しては過去のコラムでふれているので、今回はキッチンのリノベーションについて書いていこうと思います。
これからマンションのリノベーションを検討されている方の参考になれば幸いです。
モノが置けないキッチンを大改造
私が購入したマンションは「田の字型」と言われる一般的なマンションの間取りでした。
キッチンは物件の中央に位置しています。冷蔵庫も置けるし、コンロも三口。
システムキッチンの対岸には家電類を置くスペースもあったりと、狭いながらもよく考えられた間取りだと思います。
ところが、近年はキッチン家電に便利な機能がどんどん追加され、同時に大型化している傾向にあります。
なので、今の家電を既存のスペースに置いていこうとしても入りきらないのです。
以前住んでいた賃貸マンションも購入したマンションのキッチンと同じくらいの広さだったのですが、家電の一部が部屋からはみ出しリビングに置かれていたりと、とても不便でした。
そこで、せっかくリノベーションするのであれば使い勝手の良いキッチンを手に入れたい!と心に決め、建築家に相談したのです。
そして出てきたプランはこちら。
設計:studio IrodorI+ondesin
キッチンをリビングの壁側に大移動し、キッチンがあったところをダイニングスペースにするというものでした。
購入したマンションはリノベーション済み物件だったので(リノベーションというよりリフォームでしたが)、システムキッチンは新品です。
それをそのまま転用することでコストダウンも実現。
キッチン・お風呂・トイレなどの水回りは入れ替えると数百万円かかってしまうので、使えるものは使った方がお得です。
気になったカラーも施工会社さんがボードを貼ってくれたりと、部屋の雰囲気に合わせて調整してくれました。
こうした水回りの変更は、配管の位置など物件によってできたりできなかったりするので、購入前に施工会社や設計士と相談するのがおすすめです。
特にマンションリノベに慣れている方だと色々な相談に乗ってくれますよ。
キッチンカウンターを新設して空間を区切る
キッチンに十分な広さは確保できたので、次はリビングとの関係性を考えました。
機能の異なる二つのスペースはやはり区切りたくなるものです。
とはいえ、壁を作って部屋を分けてしまうとリビングに圧迫感を与え、広いリビングではなくなってしまうし、何よりコストがかかります。
そこで、リビングとキッチンの間にアイランドタイプのカウンターを置いて空間を分けることにしました。
システムキッチン+冷蔵庫くらいの長さで作ったカウンターは存在感が出すぎないよう薄いグレーで仕上げ、部屋に馴染むようにしています。
カウンターの上にはステンレスの板を敷いているので調理作業も可能。
電子レンジやオーブントースターなどの調理機器はこのカウンターの上にまとめて置けるようにしました。
他にもコーヒーミルや電気ポットなどを置いてもまだ場所が余るくらい。
便利すぎてお菓子や飲み物などとりあえずなんでも置いてしまい、なかなかスッキリ整理できないのが唯一の悩みです。
カウンターを作る際に工夫したことがもう一つ。
アイランドタイプは360°どこからでも使えるのがメリットですが、前後がない分、家電を置くとどうしても背後のコード類が見えてしまいます。
そこで、建築家からの提案で一枚だけ壁を設けたのです。配線を目隠ししながらコンセントも設置でき、上部には棚を付けられるから収納力もアップと一石二鳥。
また、この壁を設置したことでキッチンとリビングが緩やかに分けられ、リビングにいるこどもの気配は感じつつも空間としては別にすることができました。
壁で囲ったり扉を設置しなくとも様々な方法で空間は区切ることができます。
このあたりはプロに相談するのが一番ですね。
そうそう、リビング側の壁には絵も飾れるのも嬉しいポイントです。アートを飾るコラムも書いておりますので、ぜひご覧ください。
ちょっとした工夫で機能性をアップ
キッチンで意外と悩むのが大きなフライパンや鍋など大きな調理機器の収納です。
ここでもキッチンカウンターが大活躍。キッチン側は食器をしまいつつ、リビングに面した側はデザイン性の高い調理器具を並べて見せる収納にしています。
ここまで大規模にやらずとも、システムキッチン周りはS字フックを使えば収納スペースに早変わり。
鉄のフライパンや中華鍋などは、油をつけたまま保管するため重ねて収納することができません。
そこでコンロの近くの壁に引っ掛ける場所を作り、S字フックでぶら下げて収納スペースにしました。この程度でしたらDIYでも取り付け可能です。
投稿者プロフィール
赤井 恒平(あかい こうへい)
ライター・フォトグラファー。埼玉県飯能市でシェアアトリエ「AKAI Factory」を運営するなど、まちづくり業にも携わっています。
現在は築20年のマンションをリノベーションして家族4人で暮らしています。最近は休日に料理をするのが密かなブームです。
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